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2006年4月 2日 (日)

パブリセビッチの見た日本バスケ


パブリセビッチHCの目を通した全日本の成長について、今まで見落としていたWeb資料を使いながら見てみる。

【メンタル】



2003.06.12
http://www.mizuno.co.jp/basketball/harada/20030612.html
「若いプレーヤー、背の高いプレーヤーの育成が、世界で戦ううえで重要なポイントになります」と原田さんの、そして一般的な見方を紹介した上で、パブリセビッチHC就任直後の記者会見より、
「アグレッシブさ、闘争心、勝利に対してのメンタリティー、意欲を要求。修正しながらトレーニングで、より良くしていく」
と紹介した。

あのペトロヴィッチやトニー・クーコッチを育てたコーチから見たら優しすぎるのだろう。
文化的に物欲が満たされ、国民総中流意識を持った自己満セレブの集まりは、「勝ち」に貪欲(どんよく)になることが、確かに少なくなったように思う。
WBCで、うまくリードすればモチベーションを懐(ふところ)から出して見せられることを証明できたことは、パブリセビッチHCにも「日本人はこれだけやるんだ!」という手応えを感じさせたのではないだろうか。


【フィジカル】


つい先月連載されたコラムだが、上のマインド面に加えて、基礎体力の足りなさをどうやってパブリセビッチHCが作り直したのかを紹介している。内容を見ると本来はミニバスケットの年代で徹底してやらなければいけない項目だと、ミニを教えたことのあるわたしは思うが、いかがなものだろうか?

この競技の基本をおろそかにしてきたという評価が全日本クラスに対して下されているのは残念なことだ。
ちなみに2002年に発せられたJABBAエンデバー計画に関して、パブリセビッチHCつまり全日本の方針とは直接的な「絡み」は、あまり無いようだ。(月刊バスケットボール 2006 5月号)
なんのためのエンデバー計画なのだろう? 協会のエゴが見え隠れして、しようがない。


スポーツラボ be on sunday

屋外練習で筋肉つける(2006.03.05) 河野正樹
http://www.be.asahi.com/be_s/20060305/20060227TSPO0056A.html
毎年6、7月に行う海外合宿は基礎トレーニング

 基本的な脚力の無さからの脱却を全日本チームが合宿で実施してきたらしい、、、

鬼ごっこでバランス向上(2006.03.12)
http://www.be.asahi.com/be_s/20060312/20060303TSPO0044A.html
 ●コート内での鬼ごっこ
 ●1.5メートル間隔で高さの違うハードルを置き、両足で跳ぶ

3分間の集中力を磨く(2006.03.19)
http://www.be.asahi.com/be_s/20060319/20060307TSPO0081A.html
 ●3分間の集中力が大切

 この手の練習はミニの世代から徹底的にやり続けないと身に付かない。
 エンデバーという概略ではなく、こういった細かな練習指導法を
 JABBA-Webサイトにアップするだけでも違うだろうにぃ。
 エンデバーでは、トップ,U-18,U-15,U-12という世代間の一貫性を今年度から作り直した。
 しかしながら、底辺である各チームには、全日本、ブロック、県、地区へと落としていく
 手段を、各組織に任せている。これが、本気の再建20年計画だ。レベルアップするのか?


【フォワード不足】


広瀬昌也のハーフタイム 2004年2月
http://www.sport-nippo.com/forza/basketball/feature.php?k=4&n=26
JBL監督会に参加した際のパブリセビッチHCのコメントを紹介

「若いときからシュートがうまい選手が代表に選ばれ、だれもが3点シュートを打ってしまう。ポジショニングとしてフォワードが可能でも体の強い選手をインサイドに置いてしまうためフォワードの層が薄い」


鈴木栄一 スポーツナビ

バスケットキリンカップ2005
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/basket/other/column/200507/at00005482.html
突きつけられた世界との大きな差、貴重な経験 (2005年07月25日)
「世界と比べ、日本に一番足りないのは3番(SF)と4番(PF)の部分です。強豪チームのSF、PFはサイズ(身長の高さ)があり、ゴール下での得点、リバウンドに加え、外からのシュートも打てる。日本はSF、PFの高さに問題を抱えています。」


【ファンダメンタル】



http://www.s-move.jp/jcolumn/basket/hcwords.htm
ジェリコHC語録

<第1回スプリングキャンプ>(2004/2/16〜3/20)での
「それはバスケットじゃない」
(3/3・第2次キャンプ2日目のスクリメージ中、速攻で前を走った選手がボールをもらってそのまま3ポイントシュートを打ったことをたしなめて)


<第2回スプリングキャンプ>(2005/2/23〜3/13)
「何故コーンの間を通るの?それは人だよ」
(2/25・第1次キャンプ3日目の3部練習にて。ドリブルシュートでチェンジする際、実戦のイメージを忘れてしまっている選手に対して)

「シュートを打って見ていたら、試合で損をする」
(3/2・第2次キャンプ1日目の3部練習にて。1on1でオフェンスリバウンドまで気を抜かないように注意して)

「そういうシュートはボールがもったいない」
(3/11・第3次キャンプ3日目の 3部練習にて。リバウンドがいない状態でロングシュートを打った選手に対して)


【ナショナルチーム選手】


<平成16年度国内強化合宿1>(2004/4/15〜5/23)
「誰にでも問題があります。しかし、スポーツは犠牲を必要とし、どの競技でも最高の選手でありながら人生の何かを犠牲にしていない人はいない」
(5/23・第6次強化合宿最終日。欧州遠征メンバー辞退者を残念に思って)


同様に、代表選手の心構えと、代表チームのありかたを鈴木貴美一さんが語ったインタビュー記事だが、現場を抱えるトップリーグ監督のもどかしさを表しているように読める。

バスケットボールプラザ No.26 2005/4月号①
http://www3.ocn.ne.jp/~sinkokai/page025.html

「なんとなく代表選手をやっているとか、怪我でもしたら馬鹿らしいとか、いやいやながら代表になっているような雰囲気を変えないといけません。皆が知恵を出し合い、選手たちがプライドを持って代表チームの練習に参加できるような環境を整えることです。過去の成功例にとらわれず、時代に合った強化策や組織を作り上げ、良い結果を出すことが重要なことだと思います。」


どうだろう、こうやってみると欧州選手権を制したことのあるパブリセビッチHCにとっては、日本の協会の対応の悪さもさることながら、国内バスケレベルの低さについて持っている「いらだち」を、はっきりと公の場で言わないながらも、選手にはそれをぶつけていることがよくわかった。
選手は、それを受けて成長も確かにしてきた。
しかし、それがパブリセビッチHCが想定する成長の度合いに叶っていたのかと言えば、そうでもないだろう。
それゆえに、経験の少ない若手にベテランを加えた「候補」リストを作ったと言える。

また、代表についてのマインド面では何度も厳しい事を言ってきながらも、田臥を呼ばなければならない台所事情だといういうことを認め、その候補に加えた。
そして薄いとされるフォワードに、ムラの無くなった高橋マイケルらを加え、まさに強化した。
パブリセビッチHCにしてみれば、不本意な他力本願といった布陣は、一見層が厚くなったと見られた全日本の駒の少なさの象徴ではないだろうか。

企業スポーツでしかないトップリーグは、パブリセビッチHCとうまくクロスオーバーしてくれない、いやしないのだろう。それは、Jリーグや欧州リーグに出かけた青いジャージの代表選手が「信念」「プライド」を賭けているのとは対象的だ。そうやって考えると、そのプライドを持たせているのは、いつまでもワールドカップ代表チーム入りを追い求める『Kingカズ』の言動にも多大な影響力があることがわかった気がする。

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