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2006年6月18日 (日)

楽しむための正しい教育

先日、電車に乗っている時に隣に座っていた女性が読んでいた本で
ロッテ監督バレンタインさんへのQ&Aというコーナーの中に
「野球を楽しむのにどうしたらいいですか?」と息子さんを気遣う質問が目に入った。
おそらく、隣の女性も息子さんが野球を始めたかなんかでこの本を読んでいたのかも知れない、熱心に読み入っていた。

2ページ見開きに、一問一答形式だったので、大きな太い文字で質問が見え、左ページあたりに肝心の部分を読むことができた。はっきり記憶できなかったが、この一節だけが残っている。

「その質問を受けた時、正しい教育を受けなさい、とわたしは常に答えている」

スローイングや、バッティングなどを楽しむためには、まず正しいフォームを教えてもらうことだ、といった意図の答えだそうだ。

この本を意識しながら、本屋ではキョロキョロするも、いまだにその本を見つけることができない。

見つけるまではと思っていたが、今回一旦自分なりに、この回答に解釈を加えたいと思う。

バスケットボールは、ハビットスポーツ(Habit Sport=経験のスポーツ)と言われ、日頃の心の持ちようから始まり、繰り返される練習など、全ての行動についてバスケットボールのコートの上で活かされるとされている。

そのため正しいフォームが無ければ、シュートは入らず、一度のまぐれはあり得ても、それが何度も続くことは決してあり得ないのである。それだけ、45cmのリングに30cmのボールを通すことは難しいことだとも言える。

わたしが尊敬する日本のオールラウンド・プレーヤー:池内さん(元男子日本代表選手/ユニバーシアード男子代表ヘッドコーチ/拓殖大学男子バスケットボール部監督)の監修した「バスケットボール上達BOOK」に寄せた池内さんのコメントはこうだ。

シュートを決められるようになるには練習が必要です。
でも、練習の仕方が悪いと、やる意味がなくなってしまいます。
身体能力や体格が人それぞれで違っているように、
その人に合ったシュートフォームがある。
まずそれを見つけましょう。
シュートを何本打っても疲れなければ、
それが自分に合ったフォームといえるでしょう。
それを見つけながら成功率を上げていく。
最初は10本でも5本でも構いません。
目標を小さく区切って、連続して決められるようになりましょう。
ゲームでシュートが決まる確率は練習のときの半分と言われますが、
シュートが入れば自信がつき、確率は上がっていきます。
その積み重ねこそが、ゲームで生きてくるのです。


どうだろう、バレンタイン監督と同様の意味を読んで取れるではないか。

池内さんは、天才的なシューターとして活躍したため、
フォームを自分で見つけるとしているが
実際ある程度まではコーチ役がいなければ基本的な事項を
習得は出来ないハズである。
バレンタイン監督が指すのは、きっとこのことだ。

基本習得までは正しい知識のもとに正しいフォームを身に付けることで練習が楽しくなる。
楽しくなれば、自ずと繰り返し繰り返し練習することがもっと楽しくなる。
そこから先は「努力」の積み重ねと、実戦での経験だよ、と。

バスケットのシュート練習はゴールに対峙し、自分との勝負だ。
英語ではSwishと表現されるネットだけにボールが触れて通過する時の音を聞いての心地よさは「楽しさ」そのものだ。いくらでも続けたくなるし、その心地良さが増える分、自分が上達した感触すら覚えることができる。屋外が真っ暗になろうが、周りに人がいなくなろうと、没頭し、集中し、いつまでもシュート練習する時に研ぎ澄まされた神経はCOOLに自分の位置とゴールからの距離をはじき出して、全身の使い方を指示し、最後に指先のタッチ感覚で軌道修正する。
バサッ、という快感の直後にスピンしたボールは手前に跳ねてきて、拾ってはまたジャンプしての繰り返し・・・

バスケを高校1年の途中から始めた際に最初に教えてもらったのはジャンプシュートだった。
3年の引退後だったので、2年でチームのエースシューターの先輩から丁寧にいろんな体の部位の使い方を理論的に教わった。驚きのポイントは「後ろに跳ぶ」だった。後ろに跳びながらのシュートは難しかった。しかし、それが普通のジャンプシュートだと教わり、忠実に従ったことで、普通のシュートだと体に覚え込ますことができた。
その後、10年を経てNBAを観るようになってそれが「フェードアウェイ」だったということを知った。

きちんとしたコーチが、きちんと教えれば、きちんと反復練習し、どの部位をどう修正すればいいのか自分の中の感覚という名のコーチが直してくれる。
それが、バレンタイン監督の意味する正しい教育なのだろう。

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コメント

あきひろさん、こんにちは。

部活顧問は減る現状ですので、素人でもバスケ部が存続すること自体は喜ばしいことだと捉えたいです。子供達がバスケを経験し、バスケを通して仲間ができるので、、、

この記事を書く前に、日本バスケットボール協会「バスケットボール指導教本」をチェックしましたが、『コーチはバスケ経験者がよく、経験から指導できるので、なにかといい』のような説明でした。
そして、「できれば、それなりの実績を残した経験者がベスト」だと言い切っています。f^^)

クラブチームがたくさん存在するような環境では可能ですが、日本の「部活」ではコーチを選ぶことはかなり難しいですね。
もちろん、公立中学校も学区外に入学希望を出せるようになったり、高校は自由に受験できますが、バスケのみを優先して学校を選ぶことの<リスク>もあると思われ難しい問題です。

実績者しかコーチはできないような論理展開ではなく、組織的に指導者を指導する機関(仕組み)を考案することが連盟の使命であり、それによって実際の底辺拡大・ファンダメンタルレベルの均一化が実現できるのだろうと思います。
もっと、日本協会が地場に降りていって、指導者資格講習会や指導者クリニックをやればなぁ、と思うのですが・・・。
今は、県の連盟に任されていますが少しグレーな印象を受けます。

この辺は、もう少し調べてから報告・提案しようと思います。

投稿: kawashiman | 2006年6月19日 (月) 11時18分

そういう意味では、部活レベルでのよい指導者の充実が望まれますね。自分の場合、中学も高校も、ど素人の先生が顧問でしたからね~(いい人達でしたけど)。

投稿: あきひろ | 2006年6月18日 (日) 21時27分

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